講演会:ニッポンの女子力3.11を機に大企業からNPOへ
井出留美さん講演
セカンド・ハーベスト・ジャパンで広報室長を務める井出留美さんは、東日本大震災をきっかけに、大きく人生の舵を切りました。
井出さんはそれまで、世界展開する外資系食品会社で広報に従事し、業務の一環として余剰食品をフードバンク活動に寄付してきました。震災当時、世界中の支社から寄付の申し出があり、受入先を確保するため奔走していましたが、いくつもの壁に阻まれた経験から、企業の一員としての自分に限界を感じていました。
これまで培ってきた広報のスキルをNPO活動で活かす道を選んだのは2011年7月。震災から4か月間、被災地へ物資を運ぶNPOのトラックに便乗して石巻へ行くなど震災支援活動に積極的に参加する中で、数々の出会いもありました。
3月11日を境に人生を大きく転換したボランティアスタッフたちの影響も、その決断に大きく寄与したのだと思います。
それ以来、NPOで食に係わる活動を推進する井出さん。得意分野はソーシャルメディアを活用した情報発信で、とかく実質的な活動に専念しがちなNPO活動を広報の面から支える重要な役割を担っています。
振り返れば、食品企業での経験だけでなく、青年海外協力隊で食品加工隊員としてフィリピンへ派遣されたことなど、これまでの経験すべてが食を通して人や社会の役に立つ活動に結実しています。
その経緯をまとめたプレゼンテーションは、日本PR協会2011年度PRアワードグランプリ、ソーシャル・コミュニケーション部門で最優秀賞を受賞しました。
今回、そのダイジェスト版の講演をお願いしたのですが、こうした井出さんの情熱的な活動報告は、フードバンクとやまの研修会に集った参加者の心にも大きく波紋を投げかけたのではないでしょうか。フードバンク活動に賛同するメンバーを増やすことにも大きく寄与しました。
(2012/03/28)